ランドセルの色といえば「黒か赤」というイメージを持つ人は多いかもしれません。しかし近年、この定番の常識が大きく変わりつつあります。今回は、女の子の黒ランドセル人気が急上昇しているという最新の調査結果や、多色展開が定着した業界の歴史的な背景を振り返りながら、今のランドセル事情をわかりやすくまとめてご紹介します。
かつての定番は黒と赤 転機は2001年だった
まずはランドセルの色のトレンドがどのように変化してきたのか、その歴史から見ていきましょう。2000年代より前は黒と赤がほぼ主流で、それ以外の色を選ぶという発想自体が珍しかった時代がありました。その状況が大きく動いたのが2001年です。大手の総合スーパーがランドセルを24色展開で発売したことがきっかけとなり、業界全体で多色展開が広がっていったといいます。当時は「本当にそれでいいのか」と戸惑う声も多く、発売から数年は依然として黒と赤を選ぶ家庭が多数派だったそうです。
その後2005年ごろからは刺しゅうや装飾を施したデザインが登場し、2010年以降になるとカラフルなランドセルを背負うことが一般的になっていきました。ランドセル以外の商品分野でも多色展開が広がっていた時流とも重なり、多様な色を受け入れる土壌が徐々にできあがっていったことがうかがえます。

女の子の「赤」離れが進んでいる
色のバリエーションが増えたとはいえ、「結局のところ黒と赤が根強い人気なのでは」と考える人も少なくないでしょう。ところが実際のデータを見ると、その予想は大きく裏切られます。2023年に行われた株式会社セイバンによる調査では、赤系のランドセルを選ぶ女の子の割合はわずか7パーセントにとどまり、代わってパープル系やピンク系が上位を占める結果となりました。人気アニメや映画のキャラクターが身にまとう色味が、お子さんたちの色選びに影響を与えていると分析されています。
一方の男の子は黒系が6割強を占め、依然としてダークカラーが主流という結果が出ています。ただしここ数年は黒以外の色を選ぶ男の子も少しずつ増えており、性別に関係なく「好きな色を選ぶ」という価値観が広がりつつある様子がうかがえます。(参照 ウォーカープラス「赤いランドセルを選ぶ女子は7%に…定番だったはずの“黒と赤のランドセル”の現在」)


今度は黒が急浮上 女の子の色選びに新しい波
そして最新の調査では、さらに興味深い動きが報告されています。かつて男の子の定番だったブラック系のランドセルを選ぶ女の子の割合が、前年に比べておよそ3.3倍にまで急増し、過去最高を記録したというのです。ジェンダーレスや多様性の尊重が広がる社会の空気を背景に、お子さんたちが自らの意思で「黒がかっこいい」と選ぶようになっている点が印象的です。
(参照 Yahoo!ニュース「女の子のランドセルに『黒』が急浮上!昨年比3.3倍は話題のプリキュアの影響?」)

「男の子は黒 女の子は赤」はもう過去の話
調査結果を通して見えてくるのは、性別によって色を決めるという固定観念が急速に薄れているという事実です。数年前は赤からパープルやピンクへと女の子の人気色がシフトし、そして今度は黒が新たな選択肢として浮上する。色のトレンドはアニメやファッションと連動しながら、毎年のように移り変わっていることがわかります。

お子さんが6年間毎日背負うランドセルだからこそ、周囲のイメージにとらわれず、本人が心から気に入った色を選んであげることが何より大切です。今後もどのような色が新たなトレンドとして登場するのか、ラン活を控えるご家庭にとっては目が離せないテーマといえそうです。



