年々暑さが厳しくなる日本の夏。登下校や外遊び、体育の授業などでお子さんが熱中症になるリスクは確実に高まっています。「あの時ちゃんと対策しておけば…」と後悔しないように、今のうちから親子でできることを一緒に考えていきましょう。
水分補給は「こまめに」「少量ずつ」がポイント
熱中症対策の基本は、やはり水分補給。喉が渇いたと感じる前に飲むことが大切です。特に小学生のお子さんは自分でタイミングを見極めるのが難しいため、「30分に1回は一口飲もうね」といったルールを決めておくと◎。スポーツドリンクや経口補水液を用意しておくと安心です。

暑さをやわらげる服装選び・ランドセル周りの暑さ対策も忘れずに
通気性の良い素材を選ぶ、下着は吸汗速乾タイプにするなど、衣類でも熱中症のリスクは軽減できます。帽子は通気性とつばの広さに注目。
また、ランドセルの背面は汗がたまりやすく、熱がこもりやすい部分。最近では、冷感素材を使ったランドセル用パッドや、保冷剤が入れられる通学用ベストなど、便利なアイテムも登場しています。お子さんの「背中が暑い!」という声に耳を傾けてあげましょう。
ランドセルメーカーの「ふわりぃ」からは、暑さ対策に特化した「冷感パッド」も販売されています。

親子で取り入れたい熱中症対策アイテム8選
「具体的に何を準備すればいい?」という方向けに、今すぐ使えるおすすめの熱中症対策アイテムを10個ご紹介します。
経口補水液
水分補給を、水ではなく経口補水液にするのも◎。経口補水液は、水・塩分・糖分のバランスが絶妙に調整されており、汗で失われた成分を効率よく補給できるのが特徴です。特に大量に汗をかいた後や、軽い脱水症状が心配なときにおすすめ。お子さんが飲みやすいよう、やさしい味のタイプやゼリー状のものも販売されています。常温保存できる商品もあるため、登校用リュックに1本忍ばせておくと安心です。

首掛けファン
首掛けファンは登下校や外遊び時に大活躍のアイテム。首元から風を送ることで、効率よく体を冷やすことができます。両手がふさがらない設計なので、安全面も◎。最近では軽量で静音タイプのモデルも多く、首への負担が少なく使いやすいものが増えています。USB充電式で持続時間の長いタイプなら、お出かけ中も安心です。

瞬間冷却スプレー
洋服の上から吹きかけるだけでひんやり感を得られるスプレー。汗をかいた直後のリフレッシュにもおすすめです。コンパクトサイズのボトルならランドセルにもすっぽり収まり、外出先でもすぐに使えるのが魅力。香り付きタイプやメントール配合など、好みに合わせて選べます。

塩分タブレット
熱中症対策には水分だけでなく塩分補給も重要。お子さんが食べやすいフレーバー付きのものが多数販売されています。1日数回なめるだけで手軽にナトリウムを補えるため、習慣づけにも最適。カバンに入れておけば、外出時の「ちょっと心配」なタイミングでもすぐ対応できます。

遮熱・UVカット帽子
頭部の直射日光を防ぐことは熱中症予防の基本。通気性がよく、首元までカバーできるタイプも注目です。内側に遮熱素材を使ったものや、汗止めバンド付きなど、実用性に優れたモデルも多く、長時間の外遊びや遠足などにも安心。お気に入りのデザインを選べば、お子さんも進んでかぶってくれるかも。

保冷ポーチ付き水筒
水分補給の必需品、水筒。保冷効果のあるポーチに入れて持ち歩けば、冷たさが長持ちして飲みやすさもアップします。特に真夏は中身がぬるくなりやすいため、保冷対応の工夫がポイント。ワンタッチで飲める直飲みタイプなら、小さなお子さんでも使いやすく、外でもこまめな水分補給がしやすくなります。

使い捨て冷感タオル
袋から出して首に巻くだけで、ひんやり気持ちいい冷感が即実感できる使い捨てタイプの冷感タオル。登校前や体育の後のクールダウン、外出先での応急的な暑さ対策にもぴったりです。使い切りなので衛生的で、洗ったり乾かしたりする手間も不要。大判サイズでしっかりと首元を覆えるため、冷感が長く続きます。荷物にならない個包装タイプで持ち運びにも便利。通学バッグや車に常備しておけば、急な暑さにもスマートに対応できます。

UVカットのアームカバー
半袖でも紫外線と熱をしっかりガード。通気性があり、汗を吸って乾きやすい素材なら暑苦しさもありません。自転車通学や校外学習など、日差しの強い日にサッと着けるだけで手軽に対策ができます。最近ではおしゃれなカラーやキャラクターデザインもあり、お子さんも喜んで使えるアイテムです。

登下校時間の見直しも視野に
真夏のピーク時間(11時~14時)に外を歩くと、短時間でも体調を崩しやすくなります。もし可能であれば、登校前の準備を早めに終わらせ、余裕をもって出発するのが理想。学校側とも連携し、体調不良時は無理に登校しない判断も大切です。

声かけ・体力づくりを日常のルーティンに
熱中症の初期症状は、なんとなくだるい、顔が赤い、ぼーっとしているなど微細な変化から始まります。「今日は外、暑かった?」「ちょっと疲れてない?」といった声かけを習慣化することで、早期に気づくことができます。体調の“見える化”として、帰宅後の体温チェックもおすすめです。
また、普段から適度な運動や十分な睡眠をとることも、熱中症対策になります。体力のある子は汗をかいても体温調節がうまくいくため、外遊びや軽い運動はできるだけ続けておきたいところ。夜ふかしが続くと体調を崩しやすくなるので、早寝早起きも意識しましょう。習慣づけば、自然と自己管理ができるようになります。

今できる小さな準備が、夏の安心につながる
毎年のように「過去最高の暑さ」が更新される日本の夏。熱中症は、ほんの少しの対策で防げることも多いからこそ、「やっておけばよかった」とならないように、今から行動を始めてみませんか?熱中症対策は学校まかせではなく、家庭での意識づけや準備がとても大切。無理のない範囲で、お子さんと「一緒に考えて、一緒に対策する」スタイルを取り入れてみましょう。