最近、ランドセルの選び方に大きな変化が起きています。これまでは店舗で商品を見て購入するスタイルが一般的でしたが、今は「作っている現場を見学して選ぶ」という体験型のスタイルが注目されています。
とくに人気を集めているのが、実際の工房や工場を見学できるプログラム。職人による製造工程を間近で見ることで、製品への理解や愛着が深まると、多くのご家庭が体験を重視するようになっています。
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家族連れに大人気!「鞄工房山本」の工房見学(奈良県橿原市)
奈良県橿原市にある「鞄工房山本」では、実際にランドセルを製造している様子を見学できるプログラムを通年で実施。2024年は年間約5,000人が訪れましたが、2025年は5月の時点ですでに5,600人を超え、前年を上回るペースで来場者が増加しています。
関西圏を中心に、三重県・京都府・兵庫県、さらに神奈川県・東京都・千葉県など関東圏からの来場も多く、遠方からの訪問が増えていることからも体験型ランドセル選びの浸透がうかがえます。
来場者アンケートでは、96%が「楽しかった」と回答。「職人さんと話せた」「子どもが自分のランドセルにより愛着を持てるようになった」といった声が寄せられており、見学そのものが特別な思い出として残るようです。
→鞄工房山本のインタビューもチェック!
子どもも飽きずに楽しめる工夫がたくさん
工房見学では、子どもたちが退屈しないような仕掛けが随所にあります。フォトスポットやスタンプラリー、自由に写真撮影できるエリアなど、家族全員で楽しめる工夫が満載。ランドセルのカタログを請求すると「工房見学マップ」も一緒に届き、子どもの「行ってみたい!」という気持ちを自然と引き出しています。


鞄工房山本では、ランドセルづくりの工房見学を自由にご覧いただけます。ご来場の際は、あらかじめ見学実施日をご確認ください。
工房見学詳細・工房見学日のご確認
また、団体での見学や、出張授業などのご依頼も可能。社会科見学や学習の一環として、ものづくりの現場に触れることができます。
※10名以上の団体の場合、事前にメール(メール:rando@kabankobo.com)でご連絡のうえ、日時のご相談が必要です。
なぜ「体験型」がここまで支持されるのか?
ランドセルは6年間毎日使う大切なもの。その背景にある「誰が、どこで、どのように作っているのか」を知ることで、製品への理解が深まり、愛着も育まれます。ただの買い物ではなく、ものづくりに触れる体験が、子どもたちの心に残る特別な思い出になるのです。
鞄工房山本をはじめ、工房見学を実施しているランドセルメーカーは他にもあります。ここではその一部をご紹介します。
ごとうじゅうランドセル(愛知県清須市)
ごとうじゅうランドセルでは、ショールームの開設や工房見学を開催。工房では、裁断から縫製、仕上げまでの全工程を見学できます。
現在は、取引先業者や地域活動の一環として実施している工房見学。今後はご家族や一般の方にも公開し、ランドセル作りの現場を体感できる機会を増やしていくそう。
ごとうじゅうランドセルの工房見学詳細
ごとうじゅうランドセルのインタビューもチェック!
ララちゃんランドセル(福島県会津若松市)
羅羅屋(ララちゃんランドセル)の会津若松工場でも工場見学が可能。工場内には広大な3800坪の敷地面積に芝生を整備し、お子さまたちが走り回ったり、お弁当を食べたりできるスペースも用意されています。ランドセルのご購入を検討されている方だけでなく、社会見学や職場見学、企業見学などで訪れることもできます。また、工場稼働日はランドセルの生地を使ったチャーム作成などの体験ができます。
ララちゃんランドセルの工場見学詳細
ララちゃんランドセルのインタビューもチェック!

体験型ランドセル選びが「当たり前」に?
こうした工房見学は、一時的なブームではなく、新しいランドセル選びのスタンダードとして定着しつつあります。「誰が、どのように作っているかを知りたい」という消費者の想いと、「作り手としての誇りや価値を伝えたい」という職人たちの想いが重なった結果、工房見学はこれからのランドセル選びに欠かせない要素となっていくでしょう。
他の工房やメーカーでも、こうした体験型の取り組みが広がっていくかもしれません。
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- 【ごとうじゅうランドセルインタビュー】機能のカスタマイズが魅力。ランドセル作りのプロが手掛けるランドセル
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