来春の小学校入学に向けて、「ラン活(ランドセル活動)」のピークシーズンが到来しています。西日本新聞の記事によると、ランドセルの平均購入価格が初めて6万円を突破したそう。
「平均購入価格は2025年4月の入学者向けで6万746円。2018年に比べて約2割上昇した」(ランドセル工業会)
物価高騰や素材の高級化だけでは説明しきれないこの価格上昇。背景には、従来型ランドセルの根強い人気、祖父母による経済的支援、そして“購入体験”の変化があります。

ランドセルは「高機能・高価格化」へ
現在のランドセルは、もはや単なる通学カバンではありません。
軽量化やフィット感の追求はもちろんのこと、両手が自由に使える設計や、キャラクター・ブランドとのコラボによるデザイン性の高さも人気のポイントです。さらに、近年では教科書だけでなくタブレット端末の持ち運びにも対応した仕様など、子どもたちの通学スタイルの変化に合わせて、各メーカーが創意工夫を凝らしています。
こうした機能性・デザイン性・時代性への対応が、ランドセルの価格に反映されているのです。
“リュック型”という選択肢の登場
その一方で、軽さと実用性を重視した「リュック型」の通学かばんもじわじわと注目を集めています。
リュック型は1万円台〜2万円台で購入でき、習い事や旅行にも使える汎用性の高さが魅力。従来のランドセルが体格に合わなくなった高学年児童の“買い直し”としても需要があります。
文部科学省によると、「ランドセルの使用は法規定ではなく、校則で定める例が一部あるのみ」とのこと。つまり、必ずしも「ランドセルでなければならない」わけではないことも、選択肢を広げている理由です。
ランドセルは、子どもの体格の変化を見越して、6年間しっかり使えるように各メーカーが工夫を重ねています。なんとなくの印象だけで選んでしまうと、後になって「合わない」「重い」といった理由で買い替えが必要になるケースも。だからこそ、「6年間使い続けるもの」という前提で、慎重に選ぶことが大切です。
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高価格化を支える“祖父母の存在”
ランドセルの高額化が進んでも購入が成立している背景には、“祖父母の支援”という大きな存在があります。
「ランドセルの購入費用は54.4%が祖父母の負担。購入を決めるのは83.2%が子ども」(ランドセル工業会)
孫の人数が少ない今、「一人にしっかりお金をかけたい」という傾向もあり、7万~8万円の予算も珍しくないとの声もあります。
ランドセルは“モノ”であると同時に、家族の思い出や絆を象徴するアイテムなのです。

お子さんにとって最適な選択肢を
「ランドセル=6年間使い切る特別なカバン」という時代から、「子どもに合った通学かばんを柔軟に選ぶ」時代へ。選択肢が広がる今、価格以上に重視したいのは子ども自身の意見と日々の使いやすさです。
ラン活に悩むご家庭にとって、「高ければ安心」「リュックは邪道」といった固定観念にとらわれず、お子さんにとって最適な選択を見つけられるよう、情報を冷静に見極めることが大切です。
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